家計調査・国勢調査・水源データを、主成分分析/k-means/重回帰で読み解く。
「もし自分が飲料メーカーの責任者なら、どの地域をどう攻めるか」
その地域で今いちばん売れているものを、
その地域に合った"形"で、
もっと買ってもらう。
新しい習慣を作るのではなく、根付いた需要に乗る——マーケティングでいう「市場浸透」。
飲料データは「1世帯あたりの好み」しか分からない。市場の大きさ・買い方・単身層を、別のデータで補完した。
総務省 家計調査。二人以上世帯・1世帯あたり年間支出。52都市×14品目。「何を飲むか」を表す。
1世帯あたり×世帯数で「市場規模」を算出。単身世帯数も取得して大都市の盲点を把握。
人口÷面積=密度。密度で「買い方」(コンビニ小容量 ⇔ 車・ケース買い)が読める。
主役は二人以上のみ。単身の飲み方を別に取り、施策で補完する。
地下水 ⇔ 河川・ダム。「なぜ都市は水を買うのか」を一本のロジックで説明する解釈の軸。データから直接測ったものではなく、消費パターンと整合する仮説。
主成分分析(核)+ k-means クラスタリング+重回帰。使えるものを全部使って多面的に読む。
下のボタンで平面を切り替えると、左の3D散布図と右の日本地図が連動して同じ区分で色が変わる。PC1×PC2は綺麗に4分割、ほかの面は軸に沿った4象限で区分。
▲ 県・点にマウスを乗せると詳細。左右どちらも同じ平面・同じ色で連動します。
人口・世帯・面積を掛け合わせると、好み(クラスタ)とは違う景色が見える。
単身は コーヒー飲料・茶飲料などRTD に寄り、緑茶葉・大容量 から離れる。だから大都市だけ「RTD・小容量・コンビニ」の単身施策を別レイヤーで上乗せする。
地域クラスタ(C1〜C4)の戦略は崩さない。その上に、人口密度の高い大都市の単身世帯だけ「飲みきり小容量 × コンビニ高頻度」を重ねる。
緑茶の支出を、ほかの13品目で説明する重回帰(最小二乗)。標準化係数が大きいマイナスなら「緑茶の代わりに買われる=代替」、プラスなら「一緒に買われる=相棒(補完)」。
最も強い代替は コーヒー飲料、相棒は 茶飲料・紅茶(どちらも茶系)。だから 緑茶が根づく地域でコーヒーRTDは押さない ——この「代替ルール」を全国に当てた。(→ 精緻化で「関西だけは二刀流の例外」と判明)
PC3(コーヒー・茶葉 ⇔ 緑茶・乳酸菌)を足すと、同じ"緑茶を淹れる"地域の中が割れる。これが訴求の精度を上げる。中心の考え方(今売れているものに乗る)は変えず、ターゲティングの解像度だけを上げる。
静岡・鹿児島・長崎
緑茶だけ。コーヒーは本当に響かない。→ 緑茶RTDに集中、コーヒーは押さない(従来ルール通り)。
京都・大阪・神戸
緑茶もコーヒーも淹れる二刀流(京都=コーヒー消費日本一・喫茶文化)。→ 緑茶+本格コーヒー両方を訴求。
| 観点 | 旧(PC1×PC2だけ) | 新(PC3を追加) |
|---|---|---|
| C1の扱い | 「茶文化=緑茶を押す」と一括 | 緑茶一筋型=緑茶RTD/関西多彩型=緑茶+本格コーヒー |
| 緑茶↔コーヒー代替ルール | 全国一律で適用(重回帰由来) | 関西は例外(二刀流)として外す |
| 乳酸菌飲料 | C1の付随あつかい | PC3+で南九州=乳酸菌を独立軸として明確化 |
その地域のNo.1飲料を、その地域の買い方で、
もっと買ってもらう。
根付いた強みに乗りつつ、未充足の"形"(RTD化・プレミアム化・大容量)で伸ばす。
データ(主成分・水源・人口)→ 背景 → 施策が、一本で繋がる計画。